ミャンマーの国内産業の内99%はSME(Small and Medium sized Enterprises)と呼ばれる中小企業群で構成され、SMEの発展が国内経済の成長につながると考えられている。
SMEの発展をはかるにあたって直面する課題がSME向けの融資である。80%のSMEが資本金を自己資金によって調達し銀行融資を活用したSMEは10%に満たない。国内銀行は事業向け融資を提供するものの、インフレ率が安定しない国内経済を背景に年13%の金利を課し、また固定資産による担保も必要とするためSMEには手が出せないのが現状である。
2016年にはJICAによる総額8000億チャットの2ステップローンがSMEの発展支援を画して締結された。2017年末時点で292のSMEへ計600億チャットの融資が実行されSME向けローンは拡大しつつあるもののまだ不十分である。SMEへの融資を阻むものとして他に挙げられるのはSMEの財務状況の把握の困難さである。SMEの多くはそのキャッシュフローや資産等の帳簿をつけていないため銀行はその事業価値を正確に判断できない。その結果、銀行が提供する事業融資のほとんどが大企業へ流れてしまっている。
一つの解決手段としては、SMEによる銀行口座開設がある。銀行口座を介する運転資金の引出しや収益の預け入れは銀行にそのキャッシュフロー情報を提供することになり、銀行が与信判断をしやすくなるだろう。
【Myanmar Times 30.10.2018】